人気ブログランキング | 話題のタグを見る

酪太郎が恋人を獲得。故郷の北海道で奮闘する。


by tsado20h

酪太郎爆発(その1)

               ・・・・・・・・★1・・・・・・・・
11月上旬。
寒くなってきた。セーターはまだ早いものの、昨日から、長袖の青いチェック柄のシャツに薄手の赤いベストを着ている。

兄貴の酪太郎が、スミレの後について、お店「ブルーレギンス」に入ってきたときは、びっくりを通り越して、息が止まりそうになった。
色褪せたジーンズを履いて、赤っぽいチェック柄の長袖シャツの上に、青のベストを着ていた。いがみ合うことが多いのに、着るものの嗜好は似ているようだ。やっぱり同じ環境で育ってきた兄弟なんだな。
北海道は、もう寒いのか、ピンク系の洒落た俺のダウンジャケットを片手に提げている。俺が着ていたときは、派手だと顔をしかめていたくせに、チッ、ちゃっかり拝借しやがって。どうしたんだろう。兄貴らしくない。なんだか妙な具合に気合いが入っているみたいだな。

半月前、殴り合い寸前の大喧嘩をして、兄貴とは生涯縁を切るときつい売り言葉を投げつけて、田舎の家を飛び出してきたんだ。ちょっと短気過ぎたと反省はしているんだが。それが、こんなに早く再会することになろうとは。

家に電話が入ったので、スミレが俺の兄貴に会えると喜んで、駅まで迎えに行ってきたそうだ。一本気で、強情な兄貴が、向こうから俺のところに現れるなんて、どうい風の吹き回しなんだ? オヤジかオフクロに何かあったのだと、覚悟したね。

「乳二、お前にこんな素敵な彼女ができているなんて、驚いた。東京には、綺麗でセクシーな女の人がいるんだなあ。お前が心から羨ましいよ」
「父さん、母さんは、どうしてる? 変わりないのか?」
「変わりない。元気にしている。父さんは、最近、杖を使って、少しずつ家の周りをリハビリで歩いている」
俺は両親の無事を聞いて、ほっとした。代わって、兄貴の奴、いったい、何をしに出て来たんだという疑念がむくむくと湧いてきたね。

「実はな。俺が2年もの間、親密につきあっていて、ぞっこんに惚れ込んでいた、旭川のスナックに勤めていたジーナ、お前、知ってるよな。農場に何度か連れてきただろ。不景気でお店がつぶれてしまって、フィリピンに帰ってしまったんだ。俺は、生きがいを失って、ガックリきている。それで、この際、フィリピンまで迎えに行こうと、北海道から出てきたんだよ」
「急に東京に来たと思ったら、そんなくだらない理由のためなのか」
「くだらない理由? 貴様、俺の気持ちを逆撫でる言葉、よく吐けるな。フン、綺麗な彼女ができると、態度も生意気になるんだ」
「兄貴は、本当に、女を見る目がないんだから。確かに、美人で艶っぽい女であることだけは認める。でも、頭がパラリンパラリンで、男癖が悪く、信用の全くおけない、あんな女、止めとけよ」
「俺はな。軽くて、田舎のヤンキーを気取っていたお前と違って、若い時に女と遊んだ経験がない。ジーナとの天にも上るようなセックスが忘れられないんだ。あのボインボインの肉体が、ギッチギッチに締めてくるあそこが、夜になると思い出されて眠れないんだ。チンポコの周りがうずいてくるんだよ。車を飛ばして、旭川のファッションヘルスに行ったりして、処理はするんだけど、満足できないんだ。ジーナは、俺にとっては別格なんよ」
「兄貴は、真面目で、社会的にもきっちりと仕事をしているから、田舎で信頼も篤い。女房にして、牧場を一緒にやっていく女性なら、日本人でいくらでも見つかるだろ。見合いでもして、連れ合いを探せよ」
「見合いでも? 貴様、冷たい言葉を吐けるなあ。今は、他の女なんかに全く関心が湧かないんだ。ジーナじゃないと駄目なんだ。ジーナは、俺が人生で始めて真剣に恋をした女性なんだよ。忘れられない。俺、フィリピンまで連れ戻しに行こうと決心したんだ。どんな障害を乗り越えても結婚する。お前、素敵な彼女、ゲットしたんだろ。俺も惚れ抜いた女をゲットする。俺に、手を貸せ。そうすれば、この前の生意気な態度は、忘れてやる」
「わかった。兄貴、本気なんだな。協力するよ」
「俺、東京のことがよくわからない。明日、旅行会社で航空券を買いたい。つきあってくれよ」
「兄貴、ラッキーだぜ。ここの夜のバータイムのママはフィリピン人だ。それに、そろそろ出勤してくる頃だけど、俺の彼女の兄貴の恋人は半分フィリピン人なんだ。兄貴好みのすっごい美人だぞ。ここで、スミレと一緒に夜の部のウェートレスをやっている。この夏、フィリピンの家族を訪問してきたばかりだ。彼女等二人に聞けば、フィリピンのことなら、だいたいのことは分かるぜ」
「本当か。俺、フィリピンにはもちろん行ったことないし、フィリピンのこと、何にも知らない。いろいろと教えてもらわないといけないな。もちろん、ただとは言わない。情報料というかなんというか、謝礼は出す」
「そう、四角張るなよ。二人とも、心の優しい女性だ。そんなもの、受け取らないよ」


そうこうしているうちに、エリカがいつものように色気を振りまきながら、お尻を振り振り、大きな乳房をユラユラさせながら、にこやかにお店に入ってきたんだ。ベージュのショートパンツの下はすらりとした生脚。素足にオレンジのローファーを履いている。今日は特に決まっている。
毎日、会っている俺が見ても、セクシーでいい女。
でも、変なんだよな。兄貴が、無口になって、固まっているんだ。

「兄貴、さっきから、何、口を開けて、ボッとしているんだよ」
「美しい。美しい。実に美しい。くずれていて、そして、淫らで。男を誘い込むような雰囲気。俺のジーナにそっくりだ。一目惚れをしてしまった。俺、もうフィリピンに行く必要がなくなったみたいだ。乳二、こちらの美しいお嬢さん、なんという方なんだ。紹介してくれ」
「ああ、エリカと言うんだよ。でも、いくら一目惚れしたとしても、どうにもならないと思うんだけどな」
「そんなことはない。俺は命を投げ打っても、この方を自分のものにする。北海道に連れて帰る」

「エリカさん、始めまして。私、乳二の兄の酪太郎です。貴女の美しさと色気に打ちのめされました。私、もう、貴女なしでは生きていけません。私と結婚してください。そして、毎日毎晩、私とセックスしてください。子供を1ダースくらい作ってください。お願いします」
「あら、まあ、そんな直接的で、真摯なお誘い、受けたの始めてよ。うれしいわ。でも、とまどってしまう。セックスすることは、その気になれば、どうってことないんだけれど。結婚して子供を作るとなると、私、話し合わなければならない男性がいるの」
「兄貴、無茶言うなよ。エリカはスミレの兄貴の恋人なんだぞ」
「そんな過去のことなど、どうでもいい。これからは、俺とエリカさんが北海道で家庭をつくり、子供をたくさん作るんだ」
「スミレ、助けてくれ。兄貴って、ずっと堅物で通ってきたんだ。こんなわけのわからない行動をするような男じゃない。こんなクレージーな兄貴をみるのは、始めてなんだ。でも、いつもと違って、あまり腹が立たないのは不思議だな」
「お兄さん、それだけ本気でエリカに惚れたのよね。これを聞いて、兄貴、どうするかな。ウフフ」
「面白がるなよ」
「兄貴、エリカに甘えちゃって、最近、エリカのことを少しも考えてないもの。二人の関係を見直す良い機会だわ」

「乳二のお兄さん、愛の告白、ビックリしちゃった。うれしいんだけれども、私、将来、一緒になって、子供を作りたい恋人がいるの。だから、ごめんなさい。あなたと一緒になって、子供達を量産することできないわ」
「そうですか、なんて言いませんよ。貴女みたいに美しい方、恋人がいないとは思っていません。だから、強引に奪って、北海道に連れていこうと思います」
「奪われる方、そろそろ、ここに来ますので、お二人で、お話をつけてくださらない?」
「絶対に引かないぞ。エリカさんを俺の女房にする。そして、毎日2回はセックスする」

「哲郎、聞いて、聞いて。私ね。今、乳二のお兄さんに、結婚申し込まれちゃった。昼と夜、1回ずつセックスして、子供を1ダース、作るんだって。そういうセックス三昧の生活、魅力的だわ。ねえ、ねえ、ねえ、どうしたら、いい?」
「どうしたらも、こうしたらも、ないだろ。お前、俺の彼女だろ?」
「そうよ。でも、私、スミレみたいに、そろそろ、子供が欲しいんだ。スミレ、もう妊娠2ヶ月なのよ」
「俺、まだ学生だ。卒業して、お金が稼げるようになったら、すぐ結婚する予定だった。でも、そうはいかなくなったんだ」
「えっ、哲郎、私と別れるつもりなの?」
「そんなこと、有り得ないよ。俺、エリカなしでは、1日も暮らせないこと、わかっているだろ。エリカとセックスしていないと、生きている意味を見出せず、俺、自分を見失って、駄目になっちゃうよ」
「よかった。そうよね。私も哲郎のいない毎日なんて、考えられないもの」
「俺、スペイン語学科では、トップレベルの成績、取っているんだ。で、教授に今日、打診されたんだ。大学の籍はそのままにして、2年間、スペイン留学しないかって。で、で、どうだい、エリカ、一緒にスペインに行かないか? 猪口エリカって名の新しいパスポートを作ってさ」
「私、笠原から猪口に変わっちゃうの? ねえ、ねえ、ねえ、それって、私に結婚を申し込んでるの?」
「そうだよ。スペイン行きを前に、二人は同じ籍を入るんだ。嫌かい?」
「嫌なわけ、ないでしょ。うれしくて、うれしくて、涙が出てきちゃった」
「エリカ、スペイン料理を学びたいって、以前、言っていたよな。向こうのレストランに潜り込んでみっちりと働いて、スペイン料理修業に打ち込めばいい。少しでも、稼いでくれたら、俺も助かるしな」

 

★エリカ視点
★真面目で、堅物で、日本美人の銀行員、女の子登場
練習の後、花凛27歳、早希19歳、ハルカ21歳に誘われたの。 
★テーマ
○哲郎のセックス修行
○淫乱娘エリカ、スミレの恋

               ・・・・・・・・★2・・・・・・・・
私、笠原道場の師範として、主に若い女性に空手を教えているのよ。頭はパッパラパーで下半身は超だらしないんだけれど、空手の腕と切れだけは確かなのよ。女性の空手大会に出れば、上位入賞間違いなしとパパに言われているけど、今のところ興味はないの。隆志の突きを受け止めることに忙しいんだもの。
年上の女性がほとんどなのけれど、練習生にはエリカ先生と呼ばれているわ。

ファッションで空手をたしなんで、スリムUPしたいとか、空手着をかっこよく着こなして、強く美しく魅力ある女性になりたいとか、始める動機は様々なのよ。空手のなんたるか、全くわかっていないんだけれども、それに付き合っていくのも商売。今は武道である前に客商売と割り切るように、父に言われているの。練習を通して、空手のなんたるかが少しでもわかってくれる人が出てきてくれればればそれでいいと思っているわ。一人でも武道に目覚める若い女性が出てきたら、私も本気で教えるつもりでいるの。
でも、空手って、意外にも健康的なボディーメイクができる、美容に最適なスポーツなのよ。足を上げる動作が多くて自然にインナーマッスルが鍛えられるの。身体の基礎代謝がアップして血行が良くなりお肌がスベスベになるのよ。
ってところが、女性に入門を勧める口説き文句なの。私のはち切れるような肌見て、結構、信じてくれるのよ。

隆志は、週に3日、高円寺の道場に通ってくるの。
阿佐ヶ谷から高円寺に来るときは、電車に乗らずに、準備運動として走って来るのよ。
道場にいるときは、私のパパの厳しい指導に従って無心で汗を流しているので、二人共、ほとんど意識していないわ。隆志、熱心に集中して練習している成果が出てきて、このところ、少しずつ、空手という武道がサマになりかけてきたのよ。同時に、パパが私の恋人として認めてきているのよ。
もちろん、道場に来た日は、私のの家で夕食を食べ、私のの部屋に泊まってたっぷりとセックスを堪能するのよ。
最近、パパがダブルベッドを買ってくれたの。うれしかったわ。セックスを自由に激しく堪能できるようになっただけでなく、ありがたいことに隆志がぐっすり眠れるようになったの。だって、シングルベッドのときは、しょっちゅう私に床の上に落とされていたみたい。今は私の家族の一員として遇されていると言っていいわ。


時々、練習の後、若い練習生の女の子達に誘われて、道場の3軒隣りにある大衆酒房「高円寺酒造」に飲みにいくのよ。同年代の女性達と飲みながら、友人としてつきあうのは、私にとっても、すっごく楽しい時間なの。社会常識の欠けてる私には素晴らしいことなの。そういうとき、場を取り仕切って頼りになる姉御肌の女性が27歳の花凛さんなの。頼りになるんだから。

私と花凛さんと、22歳の愛美ちゃんと19歳の梨絵ちゃんのいつもの女性メンバー4人に、隆志を加えて、店の名物のおでんをつまみながら、座卓を囲んで飲んでいたの。男が一人、加わるだけで華やぎが違うのよね。不思議なものね。隆志と花凛さんは、私が入り込めそうもない難しいことを言って納得し合っているので、少し妬いちゃうだけどね。
その日は、がっちりした体格のイケメンが声をかけてきたの。かなり酔いが回っているみたい。しっぽりとした雰囲気を撒き散らしていた隆志と私以外の3人の女の子の方を向いてよ。
「なあ、なあ、お前ら、かわいい顔して、空手、やってんだろ。一度、相手になってくれないか。試合じゃなくても、いいんだよ。ベッドの上でもいいんだけどな」
「君、顔とスタイルは許容範囲にあるから、考えてやってもいいんだけど、私はもう30歳目前よ。セックス経験は豊かよ。私を満足させられるのかなあ」
「俺、この店の隣りの左官屋に勤めているんだ。歳なんて、やれれば気にしないよ。お姉さん、びったんこ、俺の趣味なんだよな。道場を出入りするとき、いつも見ていて好きになっちゃったんだよよ。俺、お前の空手を受け止めてみたいんだ」
「私も、私の突き蹴りを生身の男で一度試してみたかったんだよな」
「俺、力はあるぜ。ガタイも生まれつき、頑丈だ。か弱い女の子が突きや蹴りを入れたりしてきても、多分、何にも感じないだろうな。そのか細い腕と脚で付き蹴りを入れてみな。俺の方からは、何も責めない、攻め疲れた頃、俺の厚い胸でお前を抱きしめるだけだ。俺、思いっきりいいチンポコを持ってるぜ。ホテルに行けば、お前を泣き叫ばせるてやる。一丁、相手になってくれないか」
花凛、最初は冗談に一蹴する。よく見ると、長身で美形の青年、いや、まだ少年ぽさの残る18歳くらいの若者であることにむくむくむくと惹かれるものがあり、応答した。
「君ね。お姉さん、もう27歳だよ。今まで、たくさんの男達と遊び回ってきているのよ。そんな私を本当に満足させることができるの?」
「お姉さん、御免なさい。俺、まだほとんど経験がないんです。でも、死に物狂いで頑張ります。俺にセックス、教えてください」
「そうね。私の突き蹴り、耐えられるようだったら、考えてもいいかな」


一番モノになりそうと少しだけ期待をかけていたのが、花凛さんだったのよ。
花凛さんが空手を始めた動機が、他の女性とは一風変わっていたの。入門申し込み書の入門理由の項目に、なんと、なんと、大失恋と書いてあったわ。私、失笑というか苦笑というか、思わず大笑いしちゃった。普通、失恋したからって、空手を始めるかな? 頭が単純で、雑な作りの私にはさっぱり理解できなくて、練習の後で家に泊まっていった隆志に、存分にセックスを愉しんだ後、寝物語でそんなことあるかどうか、尋ねてみちゃった。そうしたら、
「あるんじゃないかな。なんとなくわかるな。自分の心と身体をぶっつける何かが欲しいのかもしれないな。というより、自分の心と身体を徹底的に痛ぶりいじめたいのかもしれないな」
と答えてくれたわ。隆志も花凛さんも、痴的な私の周りにいる最も知的人間。理解できるのね。少し、納得したわ。
「花凛さん、とても素敵で、知的な女性よ。隆志と、話、合うんじゃないかな。自分で言うのも恥ずかしいけど。私と対極的な素晴らしさを持った女性よ」
「そうかあ。飲みながら、一度、じっくり話してみたいなあ。」
「隆志、私、一度、3Pをやってみたかったの。どんなものか、ものすごく好奇心が刺激されるの。花凛さんと二人で隆志を虐めてみたいな。今度、花凛さんを加えて。3人で3P、愉しんでみない?」
「俺も3Pは未経験だ。一度、やってみたい気はする。花凛さんが承知してくれるなら、ギンギンに愉しんでみたいなあ」
「私と花凛さん、相乗効果で、隆志、はまっちゃう気がするわ」

私が教えられるのは空手だけ、他の面では、知的にも精神的にもすべて花凛さんに教えられてしまうのよ。

★★★★★★★★★
6年間、つきあって、結婚の約束までしていた、身も心も捧げた超エリートの銀行員に裏切られたんだって。その男、取締役の娘に見初められて、出世とい餌をぶら下げられて、あっさり乗り換えたんだって。

「花凛、御免。俺はしがないサラリーマン。出世という道が見えると、もうそちらの方向に節操もなく転がってしまうんだ。そんなおいしい餌を見逃せないのがサラリーマンの悲しき性なんだ。もしそんな話を断ったりしたら、俺、地方に飛ばされるのは間違いない。お前のブリンブリンの素敵な肉体と、お前との最高に充実したセックスを失うのは、身を切られるようにつらい。でも、お願いだ。俺と別れてくれ。相分の慰謝料は出す」
「セックスのことだけを考えれば、清々するわよ。自分本位なあんた、自分さえ満足すれば情熱をうしなってしまったあんた。私を喜ばそうととする努力は何もしてこなかったものね。それでも好きだったから、操を立ててきたのよ。これからは、若い男、取っ替え引っ替えして愉しむわよ。一晩に二人くらい相手にして、乗り換えながらセックスもしたかったのよ。私の美貌と肉体があれば、一声をかければ、ほとんどの男は着いてくるわ。これからは誰にも遠慮せず、大きな声を張り上げて愉しみまくるわよ。あんたの粗チンとも別れることができて、万々歳だわ。これから、やっと充実の性生活が始まるんのね」

強気で、表面は押し通したけれど、くやしくてくやしくて、半年、泣き暮らしたんだって。ストーカーみたいに男の周りをうろついて、自分でも自分の不甲斐なさにイライラしたんだって。毎晩、ワイン2、3本、開けて、アパートの部屋の中に引きこもって、ベロンベロンの状態だったんだって。

          ------------ 第9話 終了 ------------


          ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
★・・・・・・乳二視点
     ・・・・・・・・★1・・・・・・・・
「酪太郎お兄さん、兄弟の名、酪太郎、乳二って、ちょっと変わった名なんだけど、どういう由来があるの?」
「スミレさん、乳二から何も聞いていないのか。こいつ、家業が嫌いだからな。酪太郎は酪農の酪、乳二は乳牛の乳だ。うちは、北海道の真ん中の美瑛というところで牧場をやっているんだよ。親父が荒地だった原野を切り開いて、緑美しい牧場を苦労して、作り上げたんだ。今は長男の俺が跡を引き継いで、なんとか守っている。乳二は、中学生の頃から、牛の世話があまり好きじゃなく、牛の乳を絞るより、女の子の乳を揉むことの方に関心が向いていた。牛の尻の匂いを嗅ぐことが大嫌いで、女の子の尻を追いかけ回すことに夢中だった。田舎のヤンキーの仲間に入って、何人もの女の子とセックスをして、親父に大目玉を食らっていた」




★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
     ・・・・・・・・★2・・・・・・・・
「私達、メイド・イン・スペインの子供、連れて帰って来るつもりよ」
「乳二と私の間には、2人目の子供が生まれている筈。私、横浜のシェフの学校に通いながら、地元で一流のシェフ目指して修業することになるわ」
「私、スペイン料理の何たるかだけには触れてきたいんだけどな。将来、父の高円寺の食堂を洒落たスペイン料理店にするという夢が生まれたの」
「半ダースくらいは、子供をつくる。」

「新しいパスポート、内野エリカね。何だか自分じゃないみたい。くすぐったいわ。哲郎、今後、末永くよろしくね」
「こちらの方こそ、よろしくお願い致します。楽しく明るく行こうね。でも、エリカ、最近、突然の性的欲望、少し我慢できるようになったね。以前は、タクシーの中でもマクドナルドのお店の中でも、セックス強要されて、冷や汗かいたものなあ」
「わからないわよ。今日の飛行機の中でやりたくなるかもよ」
「飛行機のトイレは狭いし、目立つし、勘弁してくれよ」

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
スペインに行く前にフィリピンのエリカの実家へ行って、結婚報告をすることにしたの。


# by tsado20h | 2013-12-02 18:00